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あーという声だけで3分半歌い上げる!Superflyの歌唱力が極まった『Ah』という曲がすごいんです

こんにちは。

ENERGEIAで「おむすびアート」の部活の部長をしています、水月むつみです。

「おむすびアート」では、私が好きなアートを紹介したり、美術館に行ったり、ライブをしたり、美味しいお菓子を食べたりして、アートでいろんなものを「結ぶ」活動をしています。そして、「声」も1つのアートとして考えています。

私が声に興味を持ち、声が大好きになったきかっけを考えてみると、、、

私はかつて、お母さんのお腹の中に声を置いて生まれてきちゃったのかな~?と思うくらい声の小さい人でした(笑)

カフェで普通に話していて、聞き返される。 
面接で、私だけ面接官に近づくように指示される。 
声が小さいという理由で仕事をクビになる、などなど。

でも、声が小さかったからこそ、どうしてあんなに大きな声が出るんだろうとか、ああいう風なキレイな声が出せたらいいなあとか、声のことをしょっちゅう考えていました。 最終的に気づいたのは、私の声が小さいのは耳が良すぎて小さな音でも聞こえてしまうからで、だからこそ声の繊細で豊かな表現を聞き分けることもできるんだということ。

そういうわけで、今回は私が大好きな声の魅力が溢れ出ている曲をご紹介することにしました。

ご紹介する曲は、3分28秒、ずっと「あー」という声だけで歌い上げるSupeflyの『Ah』という曲です。

「あー」だけでできた曲というだけでも衝撃的なのですが、私はこの曲を初めて聞いた時、鳥肌がたち、聞き終わるころには「ほけーっ」と放心状態になってしまいました。

「声だけで表現するチカラのすごさ」に圧倒されてしまった曲です。

「エネルゲってる?で書く記事はめちゃくちゃ面白いものにしてください」という無茶振りがあったので、それにふさわしい曲だと思います。

はじめに『Ah』がどういう曲なのかを簡単に紹介してから、絶対に聞いてほしい4つの「あー」について語っています。

ぜひ、最後まで読んでいってください。

もくじ

1、『Ah』は3.11への言葉にできない想いを「あー」というため息で表現した曲

『Ah』はもともとは『あぁ』という曲で、歌詞が付いた曲だったのですが、2011年の東日本大震災をきっかけに「ため息」のみの曲へと生まれ変わりました。 この時の様子を Superfly のボーカル越智志帆さんは以下のように語っています。

「人には言葉で感情を伝えられるという、素晴らしい表現方法があるのに、辛くて誰かに聴いてほしいことほど、言葉にできず心の中に留まってしまうことかあると思います。そんな、行き場を無くした想いや、言葉に訳せない想いを、『あぁ』という大きなため息で吹き飛ばしてほしい、という想いを歌にしました。小さなため息だと、幸せは逃げてしまうから、この歌に乗せて、とびきり大きなため息で心呼吸をしてくださいね。」

これは3.11の後で身近な人との別れや心の病と闘うファンからの手紙を読んで浮かんだアイディアだったそうで、さらに教会を会場にして歌詞のないバージョンをレコーディングされたそうです。

というわけで、この曲には歌詞がありません。ずーっと「あー」と歌っているだけです。それなのに、この曲を聞いていると志帆さんの想いが伝わってきます。

いろんな人の言葉にならない想いが包み込まれるような気分になるというか、清められるというか、慰められるというか、一体なにが起きているのかも分からないほどにたった一文字の歌声に引き込まれてしまうのですね。

何度も何度も聞けば聞くほどその世界に引き込まれてしまって、言葉の現実世界に戻ってこれないほどでした(笑) でも、この歌の素晴らしさはどうしてもお伝えしたいので、その表現力の何がすごいのか、私の今の言語力で伝えられる限り書いてみたいと思います。

2、『Ah』の「ため息」の声の表現力がとんでもなくすごいんです

先ほどもお伝えした通り、この曲には歌詞がなく「あー」と歌っているだけなので、普通の歌のようにその歌詞で感動するということはありません。

曲を聞いて心が打たれるのは、声そのものの表現力が素晴らしいから。声だけでこんなにもいろんな表現ができるんだなあということが、この歌を聞くと分かります。

その表現力について、4つに分けてご紹介しますね。

2−1 息を混じらせた「あー」がため息に聞こえるのがすごい

「息を混じらせる」という歌い方のテクニックがあります。「息の混じった声」というと「かすれ声」とか「息っぽい声」というような言葉でイメージされる、弱々しい声が思い浮かぶかもしれません。

でも、 Superfly の息の混じった声はそういう「ささやき声」とは違うものです。

しっかりと芯のある声は出しつつ、それに息の音がかぶさっている声です。例えば、最初の9-10秒のところで上から下に下がる「あぁ」がありますが、その最初のところが息の混じった声になっています。

ところどころで、こういう息の混じった声で歌うことで歌全体が「ため息」を歌っているように聞こえます。そして、大きな声なのに、ため息に聞こえてしまう、というのが不思議ですごいところなんです!

2−2 大きなボリュームの「あー」がため息に聞こえるのがすごい

『Ah』は大きい声なのにため息に聞こえる歌だと説明しましたが、「大きなため息」を表現しているので、ボリュームがとんでもなく大きいです。

でも、大きい声と言っても怒鳴り声のような声ではありません。それではため息に聞こえませんからね(笑) ソプラノ歌手が歌うような「すーっ」とした裏声でもありません。

多くの倍音が入った「ベルティング」と呼ばれる声で、その力強い歌声が出せるだけでもすごいのに、加えて、声の上に息を混じらせたりすることでため息の表現になっているのが言葉で言い表せないくらい、すごいところです。

最後の方で盛り上がるクライマックスのこちらを聞くと、本当に大きなため息で日々の小さな悩みや心配など吹き飛んでしまいそうですね。

2−3 メロディの高低に合わせて、いろんな声でため息を表現してるのがすごい

ため息をする時には「はぁ」という感じで、普通上から下に下がる音程になると思います。が、下がる音程だけで曲を書くのは不可能なので(笑)、当然この曲にも上がる音程があります。

曲を聞けば、上がったり下がったりしている音程なのが分かると思います。上がり下がりの流れる音程がなぜかため息のように聞こえてしまうのがすごいんですね。

歌っているため息とでも言いましょうか。 

高い音に上がって大きな声になる時には、大きなため息に。
 低い音に下がって小さな声になる時には、小さなため息に。
強めの声の時には、悩みを吹き飛ばす力強いため息に。
弱めの声の時には、心配に寄り添う優しいため息に。

メロディの流れに合わせて声が大きくなったり小さくなったり、弱くなったり、強くなったり、息を混ぜたり、そういういろーんなことを実はやっていて、全体としてため息に聞こえるんだろうなあと思います。

やっている全てのことは私にもまだ分かっていないかもしれませんが、曲全体としては小さく優しく始まって、どんどん力強く大きくなって、盛り上がったところで最後、流れ星のように流れるキレイな声で終わる、というストーリーです。

そのストーリーに合わせてものすごくたくさんの種類の声を出していて、それがため息の表現になっているのがすごいということがとにかくお伝えしたいことです。

3、息を吸う音までもがキレイな音楽になっているところも、ぜひ聞いてほしい!

ため息をする時には息を吐くことになるので、その前には普通、息を吸います。『Ah』の中では息を吸う音も音楽の一部になっているのがすごいんです。

曲の最初の方がバックミュージックの音が小さいので、息の音が分かりやすいと思いますが、25-29秒のところで2回息を吸っています。

そこでは出す声と吸う息が交互になっていて、キレイなメロディを奏でています。まさに、吸って吐く、ため息のように聞こえるんですね。

歌の上手な人は息を吸う音がキレイ、と言われることがありますが、この『Ah』もまさにそれが当てはまっています。ぜひ、息を吸う音にも注意を向けて聞いてみてくださいね。

4、さだまさし『北の国から』も3種類の「あー」を使い分ける表現力がとんでもなくすごいんです

「あ」のみで歌い上げる Superfly の『Ah』に負けず劣らず、さだまさしの『北の国から』も「あ」「ん」「る」「ら」の4文字で歌い上げるすごい曲です。

Superfly の 『Ah』 は大きなため息で悩みや心配を吹き飛ばして元気になるような曲ですが、さだまさしの『北の国から』は北海道のどこまでもどこまでも道が見渡せる、ひろーい大地の景色が浮かんでくるような優しい曲です。

みなさんよくご存知の「あ~あ~あああああ~」というメロディが4回繰り返されますが、その表現力の素晴らしさを語ってみますね。

さだまさしの「あ」の表現のすごいところは、1回目の「あ」と2回目の「あ」、3・4回目の「あ」では微妙に声色が違っているところです。

1回目の「あ」は歌い出しなので、柔らかい、優しい声です。

2回目の「あ」は明るく伸びやかな声です。

3・4回目の「あ」は力強い声で、後半を盛り上げています。

そして、この曲も息を吸う音がキレイに入っています。

こんな風に、「あ」も息を吸う音も人によって表現が違って、声の表現力は無限大とも言えるほど豊かということをお伝えしたくて、ここまで書いてきました。

この記事を書くにあたって、Superfly の『Ah』もさだまさしの『北の国から』も、もう何回リピートして聞いたか分かりませんが(笑)、何回聞いても全く飽きません。

声の表現の豊かさをぜひ聞いてみてくださいね。言葉で言い表せない想いを感じ取っていただければ嬉しいです。

5、まとめ

今回は Superfly の『Ah』の「声そのものの表現力のすごさ」について 、

  • 息を混じらせるテクニック
  • ボリュームの大きさ
  • メロディの高低での声の多様さ
  • 吸う息のキレイさ

の4つのすごさに分けてご紹介しました。 さらに一文字繋がりのおまけとして『北の国から』も解説してみました。

声の表現力のすごさが魅力的にお伝えできていれば嬉しいです。

ぜひぜひ、他の曲でも声の表現力に注目して聴いてみてくださいね!

ありがとうございました。

最後に、私は声にとても魅力を感じていて、4年前からボイトレを始めてアメリカにまで学びに行ってしまったほどです(笑)

それくらい私が好きな歌はアートの1つですが、ENERGEIAではいろんなものを「アート」で「むすぶ」という意味で名付けた「おむすびアート」という部活をやっています。

絵、小説、映画、ドラマ、漫画などの私が好きなアートを紹介したり、美術館に行ったり、ライブをしたり、美味しいお菓子を食べたりしています。もしよかったらのぞいてみてください。

部活の紹介はこちら

ENERGIEAおむすびアート部長 水月むつみ

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